はたらく図鑑
キャリアの変化はなりたい自分の変化


「はたらく」にフューチャーしたオウンドメディア
Vol.7のさまざまなキャリアを歩みフリーランスとして活躍してこられた渡辺優さん。
新卒で星野リゾートに就職し、3年後にフィリピンでオンライン英会話企業の人事を務めました。その後も、起業やコンサルタント、SEKAIHOTELの役員という経験を経て現在はフリーランスとして広報支援や企業の新規事業開発の伴奏支援をしています。
さまざまなキャリアを描いている渡辺さんに、キャリアの進め方を聞いてみます!
<話し手>
-渡辺 優
フリーランス
▼渡辺 優さん
「最初のキャリアから転職を決めた経緯は? ――渡辺さんが選んだ挑戦の道」
-最初のキャリアについて、なぜ星野リゾートに就職を決めたんですか?
2つ理由があります。
まず、平和産業ともいわれる観光に興味があったからです。
また海外が好きで、いろいろな国に旅をしてきた経験から日本の文化や技術が世界に受け入れられていることを、日本人はあまり知らないのではと考えたんです。
「たくさんの日本の良さを伝えたい、広めたい。そうすることで日本を元気にしたい。」と思い決めました。
次に、若いうちから裁量権を持って働きたかったからです。
私は学生時代からインターンをするなど活発に活動しており、裁量権を持つポジションがあっているなと感じていました。自分の意見が反映されやすいベンチャー企業がいいなと思っていて、就活自体ベンチャー企業ばかり受けていました(笑)
▼移民の子どもたちと映画を作るワークショップに参加。ポケモンの話題で仲良くなる@ロンドン
-なぜ、入社して3年でフィリピンの会社に転職したんですか?
”若いうちに切磋琢磨できる人になりたい”
星野リゾートは、旅好きに優しい会社で当時は10日間くらい一回で休みをとることができていたんです。
その制度を活用して社会人3年目のときに、インドへ旅に行きました。エネルギッシュに働く方々を見て、今後グローバル化が進む中でこんな人たちと戦うのは若いころしかできないなと思ったんです。
「海外で働きたい」という思いもあったので、それをきっかけに転職を決めました。
まさか、旅行に行ってキャリアの選択をすることになるとは思いませんでした(笑)
どこの国に行くかを決めるとき、英語が使えるインドかフィリピンで迷いました。最終的には、学生時代に留学経験があったフィリピンを選びました。
▼カレンデリア(食堂)でチームのみんなとランチ。フィリピン料理が大好き@セブ
「好奇心が導く決断――渡辺さんが大切にする“興味の力”」
-決断をするときに生まれる渡辺さんの”好奇心”はどこから生まれているんですか?
今起きている物事の「なぜ?」を知りたい、という思いは無限に湧き出てきます。
私は、自分がトレンドに乗ったり、心が動いたりすることが好きだったんですよね。
昔からよく図書館に行って本を読んでいました。とにかくインプットが好きで、ネットサーフィンなんてさせたら一日中できるような子どもでした。
インプットすると「学んだことを抽象化し、他の分野にも応用できる」と気づきました。
たとえば、歴史を学ぶことで現代との共通点を見つけ、「同じ過ちを繰り返さない」ためのヒントを得られるんですよ!
私の場合は、「知ることが好きって気持ち」と「いろんな物事に興味がある」という気持ちから好奇心が生まれているんじゃないかと思います。
-転職をすることに怖さはなかったんですか?
怖くないというと嘘で、怖かったです。
当時は、「今やらないと後悔する」という気持ちが大きかったです。
インドの政治家マハトマ・ガンジーの言葉に「世の中に変化を求めるなら、あなた自身がその変化そのものに成りなさい」というものがあります。
私が、大切にしている考え方の1つです。私自身も振り返ると、見たい世界が変わっていく中で自分が変わることを恐れて行動を起こさなかったときのほうが怖いなって思います。
本当に多くの方に助けていただいて今がありますが、失敗してもその経験自体が選択肢として増えていくんです。
挑戦しなければ何も残りません。
なので、私は自身の変化を恐れずに行動してよかったなって思っています。
-どのように転職の怖さを乗り越えたんですか?
自らの目で見て聞いた、いわゆる一次情報をとるという過程の中で、納得できる答えを見つけることで乗り越えることができたと思います。
学生時代に留学でフィリピンに行っていたことが1つの安心できるポイントです。現地にいる切磋琢磨しあいながらも明るい人たちの姿に惹かれ、私も若いうちにそうなりたいと思いました。
転職しようと決めてからも、1度現地に行って情報を取りに行ったんです。しっかりと目で見て確認していること、それによって不安を軽減できたなと思います。
わからないことや不安に思うことがあれば、現地に足を運んでみたり、実際に取り組んでいる方から情報を取りに行ってみてください。
▼1年間のアドレスホッパーライフ中に一目惚れした須磨海岸をきっかけに神戸移住を決意
「小さな”やりたい”を大切に」
-職種も変わっているとのことですがそれは怖くなかったんですか?
職種が変わることに関しては、怖さはなかったです。
というのも、職種が変わることは「やりたいことを実現するためのスキルを身につけること」と考えていたからです。
「これをやりたいから、あれをやらなきゃいけない」という意志がはっきりしていたので、怖くなかったんだと思います。むしろ、そういう環境を与えてもらえたことに、今はとても感謝しています。
目的がないのに何かをやると「私は今何のためにやっているんだろう?」と曖昧なまま過ごすことになってしまいます。そうなると、取り組んでいることのスキルがうまく自分の成長に繋がらなくなってしまいます。
私は、それが嫌なのでやりたいことのために挑戦し続けてきました。
なので、どんな職種に就いたとしても挑戦することが大切。挑戦の難しさの中で、目標と目的をはっきりさせられるかが、ポイントだと思います。
-渡辺さんのようにやりたいことが見つからない学生に向けてメッセージをお願いします。
「やりたいこと」って聞くと、大きなものを探さないといけない気がなんとなくしちゃうと思うんですけど、そんなことないです。
大きなことを探そうとしても、大人になっても見つからない人が多いと思いますし、私自身も日々悩んでいます。
日常から小さな「やりたい!」に意識を向けてみるといいと思います!
そしてもう見つかっている人でも、「やりたい!」が変化してもいいんです。
自分の考えをいろいろな大人に話をしてみてください。
リアルな体験を通して、表現の幅を増やしてみてください。
▼気持ちの赴くままに巡る散歩が何よりの癒し
あとがき
星野リゾートで培った経験を生かして、さまざまなキャリアを歩み、現在はフリーランスとして広報支援や企業の新規事業開発の伴奏支援を行っている渡辺優さん。
キャリアを歩みながらたくさんの分岐点の中で、一次情報をとるための「行ってみる」と行動に移し、自身で感じたことを大切に進んでいる渡辺さんはとてもかっこいいですよね。
これからキャリアについて考えていかなければならないみなさんは、今何を判断材料にしていていますか?
SNSやネットがすべてではない、リアルの大切さをうまく活用してみることも1つの判断材料になりそうですね。
みなさんも、ぜひ自らの原体験から感じたことを大切に考えてみてください。

- 会社名フリーランス
- 事業内容広報支援や企業の新規事業開発の伴奏支援
- 役職フリーランス
- 名前渡辺 優